医師臨床研修マッチングまでの過程 -研修病院見学の実際-

初期臨床研修(初期研修)を行う病院をリサーチする上で、どのような病院が研修先として良いのか、インターネットで調べたり既にその病院で研修している先輩に聞いたり、など様々な方法が存在します。

しかし百聞は一見にしかずですので、一度は実際にその病院に見学に行き、研修風景を目の当たりにするのが最も得られる情報量が多いのは言うまでもありません。

見学と言ってもどのようなルートで研修病院を見ることができるのか、そしてどのようなポイントを重要視するべきなのか、今回は医師臨床研修マッチングまでの過程の中から、研修病院見学にスポットを当ててお話ししたいと思います。

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医師臨床研修マッチングまでの過程

初期臨床研修(初期研修)を行う病院は、医師臨床研修マッチングに参加した医学生と病院相互の組み合わせが合致したところで決まることになります(追加募集などを除く)。それまでの過程は医学生側からすると、大まかに以下のようになります。

  • 初期研修先として気になった病院を見学
  • 採用面接(病院によっては試験も)を受ける
  • マッチングプログラムに参加し希望する病院の順位を付ける
  • コンピューターのアルゴリズムにより研修希望者と病院双方の順位で組み合わせ(研修先)が決定

病院を見学せずに直接面接を受けるというケースもあるかも知れませんが、後に自分が働くことになるかも知れない病院を見学せずに受けるというのはあまりお勧めできません。そもそも、面接の時になぜその病院を受けるのか聞かれた際の根拠が乏しくなってしまいます。

やはりしっかりと見学を行い、この病院でなら初期研修をしてみたい、と納得した上で採用面接を受けましょう。

それでは早速、研修病院見学の実際について検証して行きましょう。

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研修病院を見学する際のパターン

研修病院を見学する際には、以下のようなパターンが考えられます。

  • 臨床実習(ポリクリ)の一環として大学病院を見学
  • 臨床実習の一貫として所属する大学の関連病院を見学
  • 自分自身で病院に申し込んで見学

上記のうち、臨床実習の一環として見学を行うパターンは「見学」という言葉が該当するのかは微妙なところですが、実習を通じてその病院の研修医や医師から話を聞くことも出来ますし、実際その病院で行われている医療の一端に参加することが出来ますので、中途半端な病院見学より内情を知ることができるかと思います。

ではそれぞれのパターンについて詳しくみて行きたいと思います。

臨床実習の一環として大学病院を見学する場合

医学部5年生の臨床実習は大学病院(付属病院)を中心として行われますので、医学生は自分の所属する大学の付属病院の様々な科を、ほぼ1年間の実習を通して回ることになります。言い換えれば、1年間かけて大学病院の見学を行えるとも言えます。

大学病院には多数の研修医も所属しているため、実習中に研修医の働きぶりを見ることができます。さらに実習ではほぼ全ての科を回るため、初期研修を大学病院で行う際に自由選択期間にどの科を選ぶと良いかを実習の間に検討するできます。

ですので、自分の所属する大学の付属病院を初期研修先として検討する際のポイントとして、

  • 実際に研修している研修医から研修の内情について話を聞くようにする
  • 初期研修の自由選択期間に選択する可能性がある科は重点的に雰囲気などを見ておく

などが挙げられます。

私の所属していた大学の付属病院は、当時1年目と2年目の初期研修医を合わせて計150人以上いましたので、どの科で実習しても研修医の先生が勤務していました。お陰で各科での研修がどのような感じなのかを、じっくりと見聞きすることが出来ました。

その結果、自分の求める研修医の頃から第一線でばりばり実戦経験を積んでいきたい、というコンセプトとはちょっと違うと実感しました。そのため他の病院を受ける際の面接の練習として大学病院の採用面接は受けましたが、マッチングの希望順位には入れませんでした。

しかし、実習で慣れ親しんだ大学病院が自分の求める研修内容と一致するのであれば、もちろんマッチングの希望順位に入れるべきだと思います。

臨床実習の一環として所属する大学の関連病院を見学する場合

医学部5年生の臨床実習の一環として、大学の関連病院で実習することがあります。1日だけの実習であることもあれば、週単位で実習を行うこともあります。

特に近年、日本の多くの医学部の臨床実習時間が国際基準に満たないとのことで、大学によっては関連病院での実習時間を増やし補完するということが行われました。

さらに大学の関連病院は研修指定病院であることも多く、実習に来た医学生は大学病院での臨床実習同様、そこで働く研修医から話を聞いたり研修医の働きぶりを見ることが出来ます。それに加えて研修医の採用に関わっている医師と知り合っておけば、採用面接の時に話が弾む可能性もあります。

臨床実習の一環として所属する大学の関連病院を初期研修先として検討する際のポイントとして、

  • 実際に研修している研修医から研修の内情について話を聞くようにする
  • 可能であれば研修医採用担当の医師と仲良くなって顔を覚えられておく

などが挙げられます。

私の職場にも近隣の医学部から大学5年生が臨床実習の一環として、2週間ごとに実習に来ています。それはもちろん、私の勤務する病院がその大学の関連施設として、臨床実習生の受け入れ先となっているからに他なりません。

また、私は実習に来た学生さんに、研修先としてどのような病院を希望しているか聞くことが多いのですが、その大学の関連病院が多いためか、関連病院での研修を希望する学生さんが多く、実習期間を用いて希望の研修先を絞り込むことが多いようです。

自身で研修病院に見学を申し込む場合

臨床実習に伴って見学を行う上記の2パターン以外は、自分自身で研修病院にアポイントを取って見学に行くことになります。とは言っても、見学を希望する病院に直接電話してアポイントをとることは少なく、通常は研修病院のホームページにある研修医募集のページから見学申し込みフォームを記載して見学に行くことになります。

因みに私が研修先を探していた頃は、採用面接や採用試験を受ける土俵に上がるためには最低一度は見学に行かないと土俵にも上がれない有名研修病院も存在しました。

見学の際には、受け入れの日程が予め指定されている病院もあれば、ある程度自由に見学日を決めることができる病院もありますし、半日間からの見学が可能な病院もあれば、最低数日間の見学を要する病院もあります。

人気病院では多数の研修希望者が見学に訪れますので、可能な限り見学日は多めに取ってスタッフに顔を覚えてもらうのが良いでしょう。また、長期の実習を受け入れている病院もありますので、本気で検討している病院であれば積極的に申し込んでみましょう。

なお、遠方の病院を見学する際は交通手段は自分で手配しなければなりません。また、見学が数日にまたがる際、宿泊先に関して病院側が手配してくれることもありますが、多くの場合は自分自身でホテルを手配する必要があります。

しかし病院によっては見学を申し込むと交通費をで支給してくれることがありますので、例えば春休みなどを利用して他の地域の病院をまとめていくつか見学して回りたい際は、交通費を支給してくれる病院を見学の候補に入れておけば見学の費用を浮かせることが出来ます。

自分自身で研修病院に見学を申し込む場合のポイントとして、

  • 一病院あたりの見学時間を多く取っておきスタッフに覚えてもらえるようにする
  • 研修病院見学は長期の休みを利用して効率よくまとめて行く

などが挙げられます。

私自身は、5年生と6年生の間の春休みを利用して、1週間以上かけて関東から東北の病院をいくつか回りましたが、数カ所の病院で交通費が出たため、交通費のみならずホテル代などもカバーすることができました。

研修病院見学に行く際のまとめ

以上、医師臨床研修マッチングに参加する過程で研修病院の見学を行う際のパターンと、それぞれの場合について重要視すべきポイントを検証してみました。

簡単にまとめると以下のようになります。

  • 臨床実習の一環として大学病院を見学する場合→研修医から研修内容について話を聞いておき初期研修の自由選択期間に回る予定の科の雰囲気を見ておく
  • 臨床実習の一環として所属する大学の関連病院を見学する場合→研修医から研修内容について話を聞いておきできれば研修医採用担当の医師と仲良くなっておく
  • 自分自身で研修病院に見学を申し込む場合→可能な限り一病院あたりの見学時間を多く取っておき長期の休みを利用して病院はまとめて見学に行く

もちろん、今回触れた以外にも見学の際に重要なポイントがありますが、そちらについては以前の記事にも触れていますので参考にして頂けたらと思います。

初期研修をどこで行うべきか迷っている医学生の皆さん、前回の記事、では大学病院と市中病院のメリット・デメリットを比較し検証してみました。 ...

初期研修をいかに充実して過ごすかによって後の医師人生は大きく変わりますので、見学は積極に行って納得のいった病院で採用面接を受けるようにしましょう。

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