医療現場で用いられる「清潔」「不潔」の意味とは?使用上の注意点を考察

医療現場では「清潔」「不潔」と言う言葉が頻繁に飛び交っています。

一般の方からすると「医療現場にあるものや行う医療行為は全て清潔なのでは?」と思われるかも知れません。

しかし医療現場で医療従事者達によって使われる「清潔」「不潔」と、日常生活で使われる清潔、不潔とはニュアンスが異なります。

今回の記事では、医療現場における「清潔」「不潔」の使われ方と、医療従事者がこれらの用語を患者さんの前で使う際に、どのようなことに気をつけるべきか私の意見を述べていきたいと思います。

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医療現場における「清潔」「不潔」について

早速、医療現場で使われる場合の「清潔」と「不潔」について解説します。簡単に定義すると以下のようになります。

  • 「清潔」とは…滅菌もしくは消毒された状態
  • 「不潔」とは…滅菌や消毒のされていない状態

日常で使われる場合の清潔と不潔は、漠然と綺麗なものと汚いものということになりますが、医療現場で使用される際は厳密に定義されています。

見た感じは全く汚れていないガーゼであっても、滅菌されていなければ医療現場で「不潔」扱いになりますし、お風呂に入って綺麗な状態の皮膚でも、消毒していなければ医療現場で「不潔」扱いになります。

より「清潔」「不潔」のニュアンスに慣れるためにいくつか使い方の例を挙げていきましょう。

医療現場における「清潔」の使い方

「清潔」が実際に医療現場で使われる際の例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 手術器械の乗った台は「清潔」なので触れないで下さい
  • 刺入部を消毒し、滅菌手袋をつけて「清潔」操作でカテーテルの挿入を行う
  • 手術に入る際は手洗い後、滅菌ガウンと滅菌手袋を着けて「清潔」になる

「清潔」に関しては一般の方が聞いてもなんとなくニュアンスが伝わる気がします。

手術で使う器械や手術に関わるスタッフは清潔なイメージがありますからね。

ただしあくまで医療現場で使われる際の「清潔」は、滅菌もしくは消毒された状態のことです。

医療現場における「不潔」の使い方

「不潔」が実際に医療現場で使われる際の例として、以下のようなものが挙げられます。

  • 滅菌ドレープに触ると「不潔」になるので気を付けてください
  • 消毒していない部位に器械が触れて「不潔」になりました
  • この処置は「不潔」操作で行っても大丈夫です

「不潔」に関しては一般の方が聞くとちょっと違和感を感じるかも知れません。

「触ったぐらいで不潔は言い過ぎではないのか?」とか「不潔な操作で処置するなんて!」という声が医療従事者ではない方から聞こえてきそうです。

こうした医療従事者と非医療重視者の間での認識の違いが、時にあらぬ誤解を生み出す可能性があります。どのような誤解が生じるのか次の項で説明していきましょう。

医療現場における「清潔」「不潔」とい言葉が患者さんに与える印象

患者さんの多くは非医療従事者であると思いますが、そんな患者さんの前で医療従事者が「清潔」「不潔」を使用するとあらぬ誤解が生じる可能性があります。

先ず、「清潔」に関してはプラスイメージを持った言葉ですので、患者さんの前で主治医が「清潔のガーゼ(ここでは滅菌ガーゼのこと)を傷口にあてておきます」と言ってもなんら問題はなさそうです。

患者さんには、「あぁ、綺麗なガーゼを当ててくれるんだな」と言った印象を与えるくらいでしょう。

しかし、「不潔」に関してはマイナスイメージが大きく、患者さんの前で安易に使うとあらぬ誤解が生じることがあります。

例えば患者さんの処置の際に、医師が介助の看護師さんに「不潔のガーゼ(ここでは未滅菌ガーゼのこと)でいいですよ」などと言ったら患者さんはどういう印象を与えるでしょうか?

医療従事者にとってはなんともない台詞ですが、「不潔」という単語を聞いた患者さんは「えっ?処置に汚いものを使われるの?」と不信感を抱いてしまうかも知れません。

医療現場で用いられている「清潔」「不潔」という言葉、とりわけ「不潔」に関しては、医療従事者と非医療従事者である患者さんの間に大きな認識の隔たりがあるため、患者さんに対してよりネガティブな印象を与えてしまいかねません。

患者さんの前で「清潔」と「不潔」を用いる際の注意点

以上のように、患者さんに不信感を抱かれないように、患者さんの前で「清潔」「不潔」を使用する際には注意が必要です。

個人的には、患者さんの前ではなるべく「不潔」を使わないようにすべきでは、と考えております。

では私自身が患者さんの前で「不潔」のニュアンスを周りのスタッフに伝えなければならない際、どのようなの言い回しをするのか例を挙げてみましょう。

  • 「この処置は不潔で行います」であれば「この処置は清潔操作でなくても良いです」に
  • 「不潔のガーゼでいいですよ」であれば「未滅菌ガーゼ(もしくはその商品名)でいいですよ」に

このように言い換えることで、なるべく患者さんにネガティブな印象を持たれないように私は注意しています。

何より、わざわざ患者さんの前で「清潔」「不潔」と言う言葉を使わなくてもいいように、予め処置などをする際にはスタッフと打ち合わせておくことが大切かも知れませんね。

医療現場で用いられる「清潔」「不潔」に関するまとめ

今回の記事では医療現場で用いられる「清潔」「不潔」の使われ方から、医療従事者が患者さんの前で用いる際の注意点まで説明しました。

それでは今回の記事を簡単にまとめてみましょう。

  • 医療現場で用いられる「清潔」「不潔」は滅菌の状態と未滅菌の状態を意味する
  • 医療従事者と患者さんの間に「清潔」「不潔」という言葉の認識に隔たりがある
  • 患者さんの前ではあまり「不潔」という言葉を使わず言い換えた方が良い

以上のように、「清潔」「不潔」は医療現場で使われる際、日常生活で用いられる場合とはニュアンスが異なるため、患者さんの前で使用する際には注意が必要です。

特に「不潔」という言葉はマイナスイメージが大きいため患者さんの前では使わず、違う言葉で言い換えたほうが良いでしょう。

今回の「清潔」「不潔」に限らず、医療従事者の間でしか正しいニュアンスが伝わらない言葉は他にもあります。また機会をみて引き続き記事にしていきたいと思います。

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